泌尿器の病気について
性病
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性病(性感染症)とは、性的な接触によって感染が広がる病気の総称です。
初期症状が軽かったり無症状のこともあるため、病気を広めてしまったり、知らぬ間に病気が進行してしまうことがあります。治療せずに放置すると、病気が悪化して不妊症のリスクが高まったり、他の病気を引き起こす原因にもなります。
これらは単独だけとは限らず、複数の性病が合併することも多いため、性病を疑ったら同時に複数の検査をしておくことをお勧めします。また、接触のあったパートナーにもお伝えし、パートナーも検査・治療しないとお互いに移し合ったり、いったん治っても再発してしまうことがあります。
クラミジア
クラミジア菌による感染症で、主に尿道炎を引き起こします。初期症状が少なく、感染に気づかないまま進行することが多い病気です。症状としては、尿道からの透明な分泌物、排尿時の痛みやかゆみなどが現れることが多いです。ただし、症状がほとんどない場合もあります。尿培養検査などでクラミジア菌の有無を調べます。
治療
抗生剤(アジスロマイシンなど)による治療が一般的です。
淋菌(淋病)
淋菌による感染症で、主に尿道炎を引き起こします。クラミジアよりも症状が強く出ることがあります。排尿時の強い痛み、膿状の分泌物が尿道から出ることが多いですが、無症状のケースもあります。
尿培養検査などで淋菌の有無を調べます。
治療
抗生剤(セフトリアキソンなど)による治療が一般的です。
梅毒
梅毒は、梅毒トレポネーマという細菌によって引き起こされる感染症です。初期症状として陰茎に硬いしこりや潰瘍ができます(あまり痛みを伴いません)。その後、手のひらや体の皮膚に発疹が現れることがあります。のどの痛みやリンパ節の腫れが現れることもあります。
血液検査を行い、梅毒トレポネーマの抗体を調べて診断します。
梅毒の症状は数週間で自然に消失しますが、細菌は体内に残っており梅毒そのものが治ったわけではありません。適切な抗生剤治療を受けることが大切です。適切に治療を受けないと数年かけて病状が進行し、心臓や神経系に深刻なダメージを与える可能性があります。 近年、梅毒の感染者が増加傾向にあり注意が必要です。特に若い人達に増えていて、年齢別では、男性は20~50代、女性は20代が増えています。
治療
ペニシリン系の抗生剤による治療が行われます。完治させるためには、抗生剤治療を自己中断せず、決められた期間きっちりと使用しなければなりません。
定期的に血液検査(梅毒抗体)を行い、治療効果を判定します。
性器ヘルペス
単純ヘルペスウイルスによって引き起こされる感染症で、陰茎に発疹、水疱、びらん、潰瘍が現れます。特に水疱がヘルペスに特徴的な所見です。ヒリヒリとした強い痛みやかゆみを伴うことが多いです。
浸出液のウイルス検査や血液検査(ウイルス抗体検査)を行います。

治療
抗ウイルス剤を服用して治療します。
治療により水疱や痛みは改善しますが、ヘルペスウイルスは一旦感染すると治療しても体内に潜んでしまうため、過労やストレスで免疫が低下した時など、再発を繰り返しやすい特徴があります。
尖圭コンジローマ
ヒトパピローマウイルス(HPV)による感染症で、陰茎に小さなイボができます。カリフラワー状の特徴的な形をしています。痛みは少ないですが、放置するとイボが増えるので早めの治療が勧められます。視診によって診断されることが多く、必要に応じて組織検査が行われます。

治療
小さいイボであれば軟膏で治療します。軟膏で治らない場合やイボが大きい(数が多い)場合は、イボを取り除く手術を行います。局所麻酔で行い、日帰り手術が可能です。完全に取り除いたとしても、その周辺にまた再発する可能性があるので、しばらくは経過を観察する必要があります。