当院の治療の特徴
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当院では、尿路結石・前立腺癌・前立腺肥大症の治療実績が多く、専門的なスタッフによる最新の医療を提供しています。
尿路結石治療
当院における尿路結石治療の特徴
- 尿路結石は激しい痛みを伴います。当院では、患者さんの苦痛をいち早く取り除くことを念頭に、即日入院・即日手術にも対応しています。
- 短い入院期間(希望に応じ最短1泊2日)で治療が可能です。
- 最新の医療機器を使用し、年間300例近い治療実績があります。
尿路結石の治療
症状も軽く小さい結石であれば、排石を促す内服薬などで自然排石を待ちますが、痛みが強かったり大きな結石の場合は、体外衝撃波結石破砕術(ESWL)や経尿道的レーザー結石破砕術(TUL)など手術で結石を取り除きます。
体外衝撃波結石破砕術(ESWL)
背中から衝撃波を当てて結石を細かく砕いて排石を促します。体への負担が少なく通院で治療が可能です。多くは1回の治療で破砕できますが、大きい結石の場合は2~3回行う必要があります。また、硬い結石の場合は破砕できないこともあります。その場合は、レーザー結石破砕術(TUL)を行います。


経尿道的レーザー結石破砕術(TUL)
尿道から細径の内視鏡を挿入し、尿管にある結石をレーザーで砕いて、破片を回収する手術です。麻酔をかけて行うので数日の入院が必要ですが、より確実に結石を治療することができます。
当院では、麻酔科医の協力のもと、臨時で麻酔を実施できる体制を整えており、即日入院・即日手術にも対応しています。また、通常この手術は4日程度の入院が必要ですが、お仕事などの都合に応じて最短1泊2日で治療可能です。
腎臓・尿管・膀胱結石など年間300例近い治療実績があります。

全国1施設目となる 尿路結石の最新破砕機器を導入
レーザー結石破砕術(TUL)を行う際に当院で使用している内視鏡は、「リソビュー™エリート」という次世代型の最新機器で、全国の医療機関に先駆けて導入しています。同機器は、高画素とLED光源により視野が向上し、より安全な手術が可能となっています。また、術中リアルタイムに腎盂内圧を測定することで、術後の尿路感染症のリスクを軽減しています。


前立腺癌陽子線治療
当院では、孝仁会記念病院・放射線治療センターと連携して、前立腺癌に対する陽子線治療を積極的に行っており、これまでに多くの治療実績(数百例以上)があります。
陽子線治療の特徴
- 手術と同等の治療成績(根治性)があります。
- PSA値が高い中・高リスク群では、ホルモン療法の併用により、手術と同等以上の治療成績が示されています。
- 入院の必要がなく、手術に伴う尿失禁などの後遺症がありません。
- 従来の放射線治療に比べ副作用が少なく、より高い治療効果が期待できます。
前立腺癌の治療について

転移のない前立腺癌は、適切な治療により根治が期待できます。その際選択されるのが、手術や放射線治療です。両者は根治性や生存率でほぼ同等の効果が得られるため、医師の説明を受けてそれぞれのメリット・デメリットを考慮し患者さん自身が選択します。
前立腺摘出手術は、近年は「ダ・ヴィンチ」と呼ばれる内視鏡手術用ロボットを使って行います。手術のデメリットとして、出血や疼痛、術後の後遺症として尿失禁や勃起不全などが挙げられます。排尿や勃起に関わる神経は前立腺の周囲にあるため、このような合併症が起こり得ます。特に尿失禁は、少量でもあると患者さんのQOLを低下させてしまいます。
一方、放射線治療は、入院の必要はなく通院で治療可能で、手術に伴うリスクや尿失禁など術後の後遺症を回避できるメリットがあります。ただし、前立腺の周辺臓器である膀胱や直腸に炎症を起こすことがあります。また、放射線は少しずつしか当てられないため、治療には多少時間がかかります。
放射線治療の進化版である陽子線治療
陽子線治療は、周辺組織にほとんど影響を与えず、腫瘍だけを集中的に照射することができるため、従来の放射線治療に比べ副作用が少なく、より高い治療効果が期待できます。また、治療期間は3週間に短縮され(通常は6週間程度)、通院の負担が軽減されています。
これまで陽子線治療は先進医療で高額でしたが、2018年に前立腺癌に対する陽子線治療が保険適応となりました。そのため、今では手術と同程度の費用で治療を受けることができます。
当院では、2021年より孝仁会記念病院・放射線治療センターと連携して、前立腺癌に対する陽子線治療を積極的に行っており、これまでに多くの治療実績(数百例以上)があります。

陽子線治療の技術
当院での陽子線治療はIBA社の陽子線治療装置「Proteus One」で行います。 この装置では陽子線を下図1のように約3-4mmの「ペンシルビーム」と呼ばれる細いビームで、腫瘍を塗りつぶす(スキャンする)ように照射します(スキャニング)。 このペンシルビームによるスキャニングを用いた強度変調陽子線治療(IMPT)により、複雑な形状の腫瘍でも図2のように何層も重ねて立体的に陽子線を照射することで、周りの正常組織への影響を極力抑えながら、腫瘍には効果的な線量を投与できます。

金マーカー埋め込みとスペーサー注入で 有害事象(副作用)が大幅に減少
当院では、陽子線の副作用を減らすために、照射前に下記の処置を行っています。
金マーカー埋め込み術
細い針を使って、金マーカー(1ミリ程度の純金の物質)を前立腺に2カ所埋め込みます。前立腺は、便やガスなど腸の状態によって位置がずれることがあるため、金マーカーを目印にすることで、より正確に陽子線を照射することができます。


スペーサー注入術
前立腺と直腸は壁一枚を隔てて隣り合っており、陽子線照射で直腸炎が起こる要因となっています。スペーサーとは水分が主体となるゲル状の弾力性のある物質で、細い針を使って前立腺と直腸の間に注入します。両者の距離を離すことで、直腸への陽子線の照射を防ぎます。注入されたスペーサーは、徐々に体内に吸収され約6カ月で消失します。

この2つの処置によって、軽度の直腸障害は75%、中等度の直腸障害はほぼ100%低下するといわれています。
前立腺肥大症レーザー治療
当院では、最新の前立腺肥大症治療装置であるThulium laser (ツリウムレーザー)を導入し、「前立腺レーザー蒸散術」を行っています。
前立腺レーザー蒸散術の特徴
- 従来の手術に比べて出血が少なく安全です。
- 抗凝固剤を服用していても治療が可能です。
- 体への負担が小さいため、痛みが少なく、術後速やかに尿の勢いが回復します。
- 術後の尿道カテーテル留置期間や入院期間が大幅に短縮されました。
前立腺肥大症について
前立腺肥大症とは、歳をとるにつれて前立腺がだんだんと大きくなり、尿道を圧迫して尿が出にくくなる病気です。尿の通りを良くしたり前立腺を小さくする薬などで治療しますが、薬で改善しない場合は手術を行います。

前立腺肥大症の手術として、経尿道的前立腺切除術(TURP)が広く行われています。尿道から内視鏡を挿入し、内視鏡の先端に付いたループ型の電気メスで肥大した前立腺を内側からくり抜く方法です。
前立腺レーザー蒸散術
当院では、最新の前立腺肥大症治療装置であるツリウムレーザーを導入し、「前立腺レーザー蒸散術」を行っています。TURPと同様に尿道から内視鏡を挿入して行いますが、前立腺をメスで切除するかわりに、特殊なレーザーを前立腺に当てて組織を加熱気化して消失させる(蒸散させる)手術です。
従来の方法に比べて出血が少なく安全で、抗凝固剤を服用していても治療が可能です。体への負担が小さいため、痛みが少なく、術後速やかに尿の勢いが回復します。それに伴い、術後の尿道カテーテル留置期間や入院期間が大幅に短くなりました。
治療成績の高さが認められ、国内・国外の多くの泌尿器科ガイドラインでも推奨されている治療法です。



レーザー前立腺蒸散術(Thu-VAP)
