女性の排尿障害・尿失禁
以下のような病気が考えられます。
膀胱脱・下垂
女性は妊娠出産・子宮手術・肥満などにより、膀胱を支えている骨盤の筋肉がゆるむことがあります。それにより、膀胱下垂・膀胱脱が起きます。排尿障害・尿失禁・両者が出現します。また膀胱脱によって尿失禁が見かけ上改善してしまう場合があります。
検査
膀胱X線CT・X線写真・膀胱鏡
治療
内服治療・骨盤体操(骨盤の筋肉を鍛える体操)
手術治療(膀胱脱矯正±尿道吊り上げ)
膀胱機能障害(神経因性膀胱等)
膀胱尿道を支配する脳・脊髄・末梢神経の異常による排尿・蓄尿障害です。
おしっこが出づらい・もれる・尿の感覚がない などの症状が単独または混合して出現します。
原因疾患として脳梗塞・頚椎症・脊柱管狭窄症・脊髄損傷・骨盤内手術(直腸がん・子宮がん)・パーキンソン病・多発性硬化症・成人T細胞性白血病等があげられます。
また精神科治療薬・モルヒネ・パーキンソン治療薬・風邪薬・坑アレルギー薬・帯状疱疹も排尿障害をきたす場合があります。適切な治療をしないと有熱性尿路感染・結石の発生・腎機能障害→腎不全をきたします。
検査
膀胱内圧検査・尿流量測定・X線CT・X線写真。
治療
薬物治療・手術・カテーテルによるドレナージ(留置または間欠導尿)
過活動膀胱
おしっこがちかい、間に合わなくてもれる、夜中に何回もトイレ…。このような症状が起こります。(排尿障害が原因で同様の症状がでることがあります。)
検査
排尿機能検査
治療
内服治療で改善しますが、多くの場合は薬を中断すると元に戻ります。
※過活動膀胱の薬に反応が悪い場合、多尿(おしっこの量が多い)になる場合があります。
膀胱炎
排尿痛・残尿感・血液が混じる等の症状がおきます。多くは細菌感染で起こりますがストレスに起因するものもあります。(おしっこを我慢するのも、その一つ)
検査
尿検査
治療
抗生剤の内服
※内服による改善が見られない場合は、膀胱がん・尿路結石・排尿障害に起因する場合があるので、
その際は、X線検査(X線CT・X線写真)、排尿機能検査、膀胱鏡等の検査が必要です。