当院で行っている検査
DIP・腹部CT等、主に泌尿器疾患に対するX線検査を行っています。検査に対する不安、また放射線被曝に対する不安にも出来るだけ説明を行い、安心して検査を受けて頂けるよう心がけています。
当院で稼動している装置
CT(16列)
(BrightSpeed Elite SD:GE)
全身の断層写真の撮影、及び3D画像の撮影・作成に使用します。
DR
(FLEXAVISION F3:島津製作所)
透視検査・造影検査(主に逆行性尿路撮影)に使用します。
X線撮影
1. 腹部単純撮影 (KUB : kidney ureter bladder)
KUBとは腎・尿管・膀胱の頭文字で、その名の通り腎~膀胱までのX線写真です。主に結石・石灰化等の有無を調べる検査に用いられます。
2. 点滴静脈性腎孟造影 (DIP : drip infusion pyelography)
DIPはKUBを撮影後、同じ位置で造影剤(50~100ml)を点滴し、時間を追って撮影します。撮影時間は個々によって異なりますが、当院では通常、点滴開始後5、10、20、30分で撮影します。これにより、尿が排泄される経路(腎~膀胱)を造影剤が通過して尿路の形を描出します。尿路結石・水腎症・腫瘍等の検査に用いられます。
3. 尿道膀胱造影 (UCG : urethrocystography)
陰茎(ペニス)から造影剤(20~30ml)を注入しながらX線撮影を行います。これにより尿道の狭窄、憩室および前立腺肥大による膀胱底の拳上が分かります。基本的には男性の検査です。
4. 膀胱造影 (CG : cystography)
尿道からカテーテルを挿入し、そこから造影剤をゆっくり注入していき、50、100mlと最大膀胱容量まで順次撮影します。これにより、膀胱の形、尿管への逆流の有無が分かります。
5. 逆行性腎孟造影 (RP : retrograde pyelography)
DIPが施行できない場合、またDIPでは十分な画像が得られない場合に行います。膀胱鏡を用いて尿道からカテーテルを腎臓まで挿入し、そこで造影剤を注入しX線撮影を行います。
CT検査
1. CT (computed tomography : コンピュータ断層)
CTは人間の断層、いわゆる輪切りの写真を撮影する装置です。X線写真では分からない、方向や体の内部の写真を撮影できます。また、造影剤を用いることにより、単純CTとの比較および、正常部位と病変部位の区別ができます。
2. 3D-CT (3dimension-CT : 3次元)
3DCTは装置及びコンピュータの進歩により、従来のいわゆる"輪切り"の画像に加え、任意(自由)の方向から観察が可能な3次元(立体)の情報を迅速に得ることが可能です。これにより、診断能が飛躍的に進歩しました。
尿検査
尿には体の情報がかなり含まれており、特に泌尿器科では重要な検査の一つです。
当院では顕微鏡で実際に有形成分を観察する「尿沈査検査」を行っています。
有形成分には、血球類・細胞類・結晶類・寄生虫類等があります。これら成分の数・形を直接観察し症状と照らし合わせることで、膀胱炎・腫瘍等の診断をすることが可能です。
血液検査 … (PSAなどの腫瘍マーカー)
腫瘍マーカーとは、血清、尿などに存在する腫瘍が産生する物質を測定することにより、腫瘍の存在や種類、さらにその大きさ、広がりなどの指標とするものです。
PSAは前立腺に対する特異性が高く、前立腺の腫瘍マーカーとなります。
高値の場合は癌が疑われますが、前立腺炎・著明な前立腺肥大等でも高値を示すことがあり、確定診断をつけるため生検(組織検査)が必要となります。
また、血液検査では腫瘍マーカー以外でも、貧血の有無や腎機能、肝機能等の異常を調べるための一般的な採血も行っています。
膀胱機能検査
1. 尿流量測定
機械に向かって排尿することにより、一回の排尿量、排尿時間、排尿速度が表示され、排尿パターンも示されます。
排尿障害は膀胱の排尿筋の収縮力の低下や前立腺を含めた尿道抵抗の増大で生じます。尿流量測定は排尿時の全体的な機能を評価できる簡便で侵襲のない検査です。
2. 膀胱内圧測定
膀胱内にカテーテルを挿入し、そこから水または炭酸ガスを注入します。それに よって尿意を生じる時の膀胱容量、膀胱排尿筋の伸展性、無抑制収縮の有無など、畜尿時の膀胱機能を調べる検査です。
3. 残尿測定(超音波による)
排尿後、腹部(膀胱部位)の超音波(エコー)検査を行って残尿を測定する検査です。通常は尿流量検査を行った後、続けて行います。
超音波(エコー)検査
体内に超音波を発生させ、反射した超音波(エコー)を受信して画像データとする検査です。侵襲が少なく痛みもありません。腎、膀胱、前立腺、精巣疾患の診断のみではなく、残尿測定、生検時の穿刺ガイドとして検査・処置・治療にも用いられます。
膀胱尿道内視鏡検査
尿道口から内視鏡を挿入して尿道、前立腺、膀胱を観察することにより、尿道狭窄、前立腺肥大、膀胱腫瘍や膀胱結石の有無、排尿障害に伴う膀胱変形・膀胱憩室の有無などを調べる検査です。
外来では診断が目的であるため細い軟性鏡が使われますが、内視鏡手術の際は太い硬性鏡が用いられます。